約20年前に乱伐されて放棄されたエコラの森は遠くからは緑豊かな山に見えます。
でも一歩中に入ると、雑木や雑草が生い茂っていたり間伐されなかったままのか細い杉林だったり、荒廃した状況がすぐわかります。
雑木の中には古い大きな切り株や価値がないため捨てられた木が乱伐の傷跡となって残っています。
整備や植林を進めるにもまず雑木を片付けたり、整地したり、準備作業が必要です。
本来は伐採後すぐに植林をしなければなりませんが長年放置されていたために、私達が植林する場所にはこのような古い大きな切り株がたくさんあります。
雑木の中に数本の杉が弱々しく生えています。乱伐の時にまだ細かったため切られずに残されて、周りの立派な木だけが切られたようです。本来ならば長い期間で良い木を少しずつ伐採していくので、このように数本だけ残る事もありません。
乱伐でも、そのままにしていれば自然と木が生えて天然の豊かな山に戻るように見えます。でも、木を植えたり木を伐採したり人間が一度手をかけた山は人間が最後まで責任を持って手入れをしていかなければ、このような調和がとれていない姿になってしまいます。
このように荒れてしまったエコラの森ですが、中を歩いてみると昔の山主さんが丁寧に丁寧にこの山を育てていた跡も所々に残っています。その跡が豊かな森に甦れる希望として持続可能な森づくりを進めていきます。
エコラの森から川渡温泉街へと流れでる湯沢川は北上川の小さな支流の一つです。エコラの森から先の両側には見事な桜並木が続いていて大崎市内でも屈指の桜の名所となって多くの方が花見に訪れます。地域の人達が丁寧に川原の手入れを続けているおかげで毎年美しい桜を観る事ができます。
上流のエコラの森の整備を続けて、この桜並木の清流を守っていきます。