2022年 夏の間の活動報告!
こんにちは!!
春の活動報告から、ブログはご無沙汰しておりましたが、みなさんお元気でしたか?
今年は、鳴子の夏は暑かったものの、涼しくなるのもかなり早く、10月になった今、既にストーブが稼働中です。
さて、そんな短くも厳しい暑さの夏、私たちは変わらずにしんりん整備と草刈り、そして薪づくりに追われていました。
(薪はボイラーで使用するため、夏場でも需要があります。)
まず、草刈りハイシーズンの幕開けともなる6月某日。
宮城県東松島市にある「NTT東日本 みやぎの森」にて草刈り活動に行ってきました。
5月に更新したブログ「春の活動報告~その弐~」でクロマツを補植した場所など、2か所に分かれての草刈り作業。


矢印は苗の位置(他にもあるけども写真ではもう見えない)
同じ東松島市、同じ海岸なのに草の種類が全然違う2か所。
浜市地区ではだんだん大きくなってきた苗に絡みつくツル性の草に悩まされました。
ツル性の草はムリに引きはがさず(ムリに取ろうとすると木の芽も落ちてしまう可能性があります)、根元に近い部分を切ってあげればいずれ枯れて落ちることなどをお伝えしながら作業を進めていきます。
一方、矢本地区はまっすぐ背丈が伸びる草。こちらは春に補植したばかりの小さい苗もあるので、背の高い草に光をさえぎられてしまわないよう、このタイミングでの草刈りはとても大事です。
そんな6月がすぎ、7月も半ばに差し掛かった頃、宮城県に豪雨が!!!
6月末にも線状降水帯が発生し、エコラの森周辺の道路がくずれる被害があったところに、ものすごい雨。ずーっと雨。
普段、少しくらいの雨であれば何らかの作業をしている私たちですが、この時ばかりは作業も休み。 エコラの森はまだまだこの雨量に耐えられるほど健全な森になっていないところも多いので、安全第一です。
そして、やはり・・・。
4月に植樹したばかりのこけしの森が!!!
そして私たちが作業の時に使っていた橋が!!!!
見事に崩れ、流され、いつもの道の上が川になり、倒れて道をふさいでしまった木を撤去するために結局チェーンソーを持ち出さなくてはならない事態に。



幸い、NPOしんりんでは、人的な被害も設備・機械的な被害もありませんでしたが、せっかく植樹した苗が根こそぎ持って行かれてしまうのは、やっぱり悲しい。
その後安全が確認されてから復旧作業を進め、8月には子どもたちがキャンプに来ることができるまでになりましたが、崩れた辺りの苗は、また来春植えなおしです。
そうこうしているうちに9月になり、今年度2回目のセブンの森活動が行われました。
昨年まではこの時期に植樹を行っていた宮城セブンの森活動ですが、今年は4月に植樹を済ませ、今回は下草刈り活動です。
7月の豪雨にも負けずに残った苗を1本でも多く丈夫に活かすため、からみつく草たちを手鎌で払っていきました。
「草刈り」と聞くと、お庭の重労働のイメージがありますが、参加された方はみんな楽しそうで、草と一緒に悩み事も断ち切ったような表情でお帰りになったのがとても印象的でした!

今年も気が付いたらもう10月。
昨年はこの時期以降、植樹活動はありませんでしたが、今年はあと数回植樹活動が予定されています。
次回のブログでは、今年4月に植樹をした場所の半年間の様子を簡単にお伝えする予定です。
春の活動報告~その参~
春の植樹イベントの様子をお伝えする活動レポート第3弾!
第1弾・第2弾では毎週のように行われた植樹活動の様子をお伝えしましたが、最終回の第3弾は、植樹活動の舞台裏の様子をお伝えします!
植樹活動の準備は、まず植樹活動に向いている場所の選定から始まります。
もちろん、海岸の防災林のようにあらかじめ場所が決まっている場合もありますが、エコラの森での活動の場合は何本くらい植樹するのか、植える樹種は水を好むのか苦手なのか、など活動規模と内容に従って場所を選定します。
場所が決まったら、次は地拵え。田んぼや畑も植える前に準備が必要ですが、植林もそれは同じです。植樹した苗が活着しやすいように準備をします。
特にエコラの森は、まだまだ荒れた森の部分が多く、ツタ類がはびこる場所もあれば、突然ゴロゴロと瓦礫が転がっている場所もあるのが現状です。瓦礫は30年土の中にいても分解されませんから!!!
・・・そして今回の地拵えの最大の難所は竹林!

竹は地震の多い日本で防災林として、場所によってはとても重要な役割を果たしていますが、エコラの森はもともと地すべり地帯。根の浅い竹は、何かあった場合、大規模に滑り落ちてくる可能性があります。
今回の植樹ではその場所に広葉樹を植えよう!ということで、竹を切って地拵えです。

右:実際の活動の時はこうなります。奥までスッキリ!
また、今年は東松島市の防災林でも植える場所を整え直す必要がありました。
前回も少しお伝えした通り、東松島にある「NTT東日本 みやぎの森」は、5年以上前から植樹活動をしてきましたが、植えている場所の水はけが悪く、せっかく植えた苗が根腐れしてしまうような状況でした。
それではいつまで経っても防災林は再生しないし、苗もかわいそう!ということで、水はけ改善作業。

こうして植樹するエリアを整えたら、次は植える場所を決めていきます。
初めて植える場所には一定の間隔をあけてポールを挿していきますが、補植(以前植えた苗で枯れてしまっているものを取り除いて新しい苗を植える)作業の場合、その木が枯れているのか、小さいけれどまだ大きくなる可能性がある木なのか、実際作業されるボランティア等のみなさんにはわかりづらい部分があるので、一本一本見ながら印をつけていきます。

さて、ここまできたらあとはいよいよ苗の準備!
実は、苗はこんな状態で届きます。

だいたい、植樹活動の前日の午後に苗が届いて、もちろんこのままでは苗にストレスがかかるので、早急に箱から出して水をかけます。それと同時に、植樹活動の班数に応じて苗を仕分け。
活動場所で皆さんに手早く配れるように準備をしておきます。

その後は鍬やシェルターなど、活動内容に合わせた道具を準備して翌日の植樹活動を迎えます。
いかがでしたか?
毎回の植樹活動、だいたいこんな感じで準備を進めています。
鍬を持って穴を掘り、苗を植える作業は、植樹活動のいわばハイライトです。
でも実際はそれに向けてたくさんの準備があります。
今回、エコラの森や東松島で一緒に活動してくださったみなさんは、華やかな部分だけではなく、地道な下草刈り活動なども一緒にしてくださっている(またはその予定)みなさんです。
次の活動は早くて6月、遅くとも秋には、またみなさん植樹地に来ていただけることになっています。
それまで1本でも多くの苗が活着するように見守っていきたいと思います!
おまけ


春の活動報告~その壱~
みなさん、こんにちは!
数年ぶりに行動制限のないゴールデンウィーク。観光地ではコロナ前ほどとは言わなくても昨年・一昨年に比べて人出が大きく回復したというニュースが多く聞かれますね。
私たちの森はかつて観光地になろうとしたところ。今はまだ、手入れは必要な部分が多く残っている場所ですが、そんな森にも今年はたくさんの人が来てくれました。
観光ではなく「植樹」という、より未来を見据えた活動で・・・!
ということで、2022年の春の植樹活動を今回から数回にわけてご報告いたします!
今年最初の植樹活動は3月中旬。
今年からCSR活動の一環として、エコラの森の再生に関わってくださることになった、メットライフ生命の方々です。
今年はエコラの森になんと1000本の植樹を目指し、全4回の活動を予定しています。
その先駆けとして社長さん自らが記念すべき1本目の植樹をしたい、ということでまだ雪の残るエコラの森で植樹を行いました。


その約1か月後。
4月15日にはメットライフ生命の社員さん約20名での1回目の植樹活動。
3月中旬にあった地震の影響で、首都圏からの参加はかないませんでしたが、もともと仙台を拠点にお仕事をされている方々が来て250本を植樹。
当日は雨が降ってしまい、植樹は概ね終了できたものの、シェルターは3分の1ほどかけた状態で終了。
でも、植樹地に立派な看板も設置しました!

(あらかじめ重機で掘った穴に看板を建てていただきました。)

そして、間に2つの別の植樹イベントをはさんで4月の最終週、メットライフさん2回目の植樹活動。
前回とは打って変わってすごく天気がいい!
止まっていた新幹線も復旧したことから、今回は首都圏からも10名ほど参加されました。
仙台圏の社員さんと合わせて全30名。3分の1が女性参加者でしたが、みんなとってもパワフル!
前回植えた木と木の間に、今回も250本。
※間に植えていくのは、樹種が偏らないようにするためです。
シェルターもしっかりかけて、活動終了。
午前9:00~午後3:00まで、終始 明るい笑い声が絶えない活動になりました。

それに気が付いたみなさん、わりと積極的に斜面を登っています。


実は、メットライフ生命の皆さんは、東日本大震災の津波で失われた防災林の植樹を行ったことはあるそうです。
なので、今回の植樹活動もある程度のイメージをもって参加された方が多くいました。
でも、津波で被害を受けた場所とエコラの森では、地形も土の質もまるで違います。
皆さん、地中にはびこる草の根と、壁のように見える斜面に翻弄されながらの植樹になりました。
「植樹活動ナメてたわ~」
なんて声も、毎回どこからか聞こえてくるような、にぎやかな植樹活動になりました。
みなさん、おつかれさまでした!
今年の目標1000本まで、残り500本! また秋の鳴子でお待ちしています!
次回のブログでは、今回の1回目と2回目の間にあった2つの植樹活動をご紹介します!
子どもたちが木の伐採と馬搬を見学しました!
11月20日(土)、鳴子こども園の園児たちが、木の伐採と馬搬を見学しました!
このイベントは、鳴子こども園の園舎を新しくするのに伴って開催されたイベントで、ぜひ地元の森から伐りだされた木を使いたいという思いと、子どもたちが使う園舎に自分の山の木を使ってほしいという思いが一つになって開催されたものです。
今回はたくさんの方々から木の提供をいただけることになり、私たちNPOしんりんスタッフは当日まですべての山々を回って準備してきました。

その中から、子どもたちが見学に入りやすい場所を選定し、実際に切る木を選び、前日にはあらかじめいくつかの木を切り倒して、当日の朝は安全対策などもしっかり行ったうえで、子どもたちを乗せたバスを迎え入れました。
子どもたちが森に到着すると、それまでの機械の音しかしていなかった森が一瞬で明るくなったよう。
まず園長先生が森の木の命をいただくということをわかりやすく園児たちに説明。
そしてみんなで歌を歌い、これから倒す木に触れて、感謝の気持ちを送ります。
その後、いよいよ伐採見学。
園長先生がチェーンソーを持って、しんりんスタッフの補助のもと、木に切込みを入れていきます。

自然豊かな環境で育っている子どもたちとは言え、実際に伐採作業を見るのは初めての子も多く、なかなか倒れない木に「園長先生がんばれ~」の声援も。
ゆっくり木が傾いて、他の木の枝を押し広げながら木が倒れると、その音の迫力に一瞬無言になる子どもたち。でもその後、すぐに大きな拍手を園長先生に送っていました。
「森や山を守っていた木が、みんなを守る家の柱として生まれ変わった」とお話する園長先生。園児たちはみんなで切り倒した木をお清めしました。

そのあと、しんりんスタッフからは森についてのお話をさせていただきました。
森には手入れが必要なこと、家に使えない木は家具になったり紙になったりすることをお話しました。
その後、しんりんスタッフによるデモンストレーションとしてもう2本伐倒。
そして馬搬のデモンストレーションも見て、盛りだくさんの伐採ツアーとなりました。

重機に近づきたい、馬に乗りたい、切り株に立ちたい・・・いろんな子どもたちが訪れた森はとても賑やか。
とはいえ、いつもの10倍安全に気を配りながらの実施となった伐採ツアー。終わった後のしんりんスタッフはみんなホッとした表情を見せていました。
伐りだされた丸太は、この後製材工程に移り、新しい鳴子こども園の園舎に使われる予定です。
こけしの森 植樹祭を実施しました
9月11日(土)、エコラの森にてこけしの森 植樹祭を開催しました。
この植樹祭は、セブンイレブン記念財団さんによる宮城セブンの森活動と、
大崎市鳴子の桜井こけし店さん、鳴子温泉もりたびの会さんのこけしの森活動、
そして私たちNPOしんりんの山への恩返しの活動が一緒になって開催したものです。
地球温暖化防止と生物多様性の維持・保全のために森林を守りたいという思い、
先人たちが残してくれたこけしを次世代につなぎたいという願い、
森からの恵みによって豊かな暮らしができることに感謝を伝えたいという気持ちが重なり、今年もエコラの森にミズキの苗を植樹することができました。

今年は新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言が宮城県内にも発令され、当日は残念ながら関係者のみでの実施となりましたが、天候にも恵まれ、いつもは植樹指導と活動を見守る側になることが多い私たちも、一緒に植樹ができたのは貴重な機会となりました。


来年はぜひたくさんの方と一緒に植樹ができることを願っています。
「第一回湯守の森会議 里山循環社会を目指して〜鳴子湯守の森」・後編
東鳴子の大沼旅館山荘でシンポジウム・馬搬実演が開催されました。
3月15日は、馬搬の実演です!総勢50名以上の方にご参加いただき、大盛況で無事終了することができました。馬搬や、馬での地域活性化の可能性の希望の一筋が見られた1日でした。3日間を振り返っても、循環型社会への興味関心の大きさを肌で感じることが出来ました。
写真:村上 昭浩氏
こちらの様子は、大崎市の広報誌「おおさき」の4月号にも掲載されました。
大崎市でも認知していただき、大崎市一丸となって盛り上げていけるような取り組みに発展できるよう、NPO法人しんりんも誠心誠意頑張って行きたいと思います!
第一回湯守の森会議 里山循環社会を目指して〜鳴子湯守の森
東鳴子の大沼旅館山荘でシンポジウム・馬搬実演が開催されました。
3月13日〜3月15日に開催されたイベント「第一回湯守の森会議 里山循環社会を目指して〜鳴子湯守の森」
3月13日は、セブンイレブン記念財団の小野弘人氏をお迎えし「もしも林業女子が『もしドラ』を実践したら」と題したセミナーをしていただきました。『もしドラ』とは、「もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」のことです。ピーター
3月14日は、「循環型の地域鳴子を目指して」をテーマにしたシンポジウムを開催。
岩手県葛巻町の鈴木重男町長の基調講演では、「ミルクとワインとクリーンエネルギーの町」と掲げた葛巻町の取り組みや今後の展開についてお話していただきました。
続いて、「里山循環の鳴子と全国の連携について」というテーマで、大崎市環境保全課長 岡崎美津男氏、日能研代表取締役 高木幹夫氏、セブンイレブン記念財団 小野弘人氏、一般社団法人くりこま高原自然学校・NPO法人日本の森バイオマスネットワーク代表理事 佐々木豊志氏をお迎えしてパネルディスカッション。ファシリテーターには、グリーンイメージ国際環境映像祭事務局長の尾立愛子さんです。
それぞれの取り組み、そして循環型社会の形成の為に、それぞれが出来ること、今後どのように連携していく必要があるのお話していただきました。
外ではきこりマルシェと森カフェも開催!
午後からは、天然住宅/天然住宅バンク代表の田中優氏の講演。「新たな商品作りから始める社会変革」という題で展開していただきました。オフグリッドの住宅や生活についてなど、興味深い話の数々。今までの生活を見直して、取り入れられることから始めたいと感じるお話でした。
続いて、遠野馬搬振興会の岩間敬氏に「馬搬と森のくらし」について、ヨーロッパの実例や、遠野での馬搬の様子を交えながらお話していただきました。
そしてそのあとは、「きこり女子シンポジウム」!
青森県は人妻林業の石村真弓さん、岩手県はいわて♡林業女子会の吉田敬子さんにお越しいただきました。宮城県は宮城きこり女子会発起人で、NPO法人しんりんのきこり、田手扶紀。ファシリテーターは尾立愛子さんです。事例発表や今後どうしていきたいか、など熱くディスカッションしました。
そして最後のパネルディスカッションは、「鳴子の森の暮らし方」というテーマで、鳴子に関係の深い方々に登壇していただきそれぞれのお話を伺いました。筑波大学名誉教授 安藤邦廣氏、鬼首山学校校長 大沼幸男氏、大沼旅館五代目湯守 大沼伸治氏、そしてファシリテーターは尾立愛子さんです。
エコラの森にて植林活動を行いました
2014年5月24日に恊働団体のNPO法人日本の森バイオマスネットワーク主催でエコラの森にて「山への恩返し2014春の植林活動」を開催しました。この日のために、きこりが「森の作業日」の参加者とともに下刈りと地拵えをして植林の準備をしてきました。
エコラの森を甦らせるために約60名のボランティアが集まり大人も子どもも一緒に唐鍬を持ってヒノキの苗を植えました。皆さんはグループに分かれ手際よく植林して、あっという間に苗木を植え終わりました。
まだまだ植林が必要な場所が広がるエコラの森ですが皆様の力で少しずつ甦っていきます。一生懸命に唐鍬を使って苗木を植えた子どもたちが立派な大人になる頃にはここも立派なヒノキの林になっているでしょう。
里山資本主義 〜地元を活かす豊かな暮らし(システム)
公益財団法人みやぎ環境とくらしネットワーク開催のイベントにブース出展しました。 2014年3月19日に「里山資本主義」で知られる藻谷浩介氏を講師に迎える記念講演会での交流会・活動展示にブース出展しました。過疎の町での経済再生、コミュニティ復活などマネー経済と異なる本当の意味で暮らしを豊かにする可能性がつまった里山資本主義についてのお話を聴こうと会場は満員となりました。森林保全活動に感心のある方々が多く来場して、ブースでは皆様へ活動PRを聴いて頂けました。 宮城県北の杉を使った椅子に実際に腰掛けてもらって、その座り心地の良さや軽さ、地元の森林資源を有効に使って地元を元気にする事を実感して頂けました。ご来場の皆様ありがとうございました。