こんにちは!!
春の活動報告から、ブログはご無沙汰しておりましたが、みなさんお元気でしたか?
今年は、鳴子の夏は暑かったものの、涼しくなるのもかなり早く、10月になった今、既にストーブが稼働中です。
さて、そんな短くも厳しい暑さの夏、私たちは変わらずにしんりん整備と草刈り、そして薪づくりに追われていました。
(薪はボイラーで使用するため、夏場でも需要があります。)
まず、草刈りハイシーズンの幕開けともなる6月某日。
宮城県東松島市にある「NTT東日本 みやぎの森」にて草刈り活動に行ってきました。
5月に更新したブログ「春の活動報告~その弐~」でクロマツを補植した場所など、2か所に分かれての草刈り作業。
同じ東松島市、同じ海岸なのに草の種類が全然違う2か所。
浜市地区ではだんだん大きくなってきた苗に絡みつくツル性の草に悩まされました。
ツル性の草はムリに引きはがさず(ムリに取ろうとすると木の芽も落ちてしまう可能性があります)、根元に近い部分を切ってあげればいずれ枯れて落ちることなどをお伝えしながら作業を進めていきます。
一方、矢本地区はまっすぐ背丈が伸びる草。こちらは春に補植したばかりの小さい苗もあるので、背の高い草に光をさえぎられてしまわないよう、このタイミングでの草刈りはとても大事です。
そんな6月がすぎ、7月も半ばに差し掛かった頃、宮城県に豪雨が!!!
6月末にも線状降水帯が発生し、エコラの森周辺の道路がくずれる被害があったところに、ものすごい雨。ずーっと雨。
普段、少しくらいの雨であれば何らかの作業をしている私たちですが、この時ばかりは作業も休み。 エコラの森はまだまだこの雨量に耐えられるほど健全な森になっていないところも多いので、安全第一です。
そして、やはり・・・。
4月に植樹したばかりのこけしの森が!!!
そして私たちが作業の時に使っていた橋が!!!!
見事に崩れ、流され、いつもの道の上が川になり、倒れて道をふさいでしまった木を撤去するために結局チェーンソーを持ち出さなくてはならない事態に。
幸い、NPOしんりんでは、人的な被害も設備・機械的な被害もありませんでしたが、せっかく植樹した苗が根こそぎ持って行かれてしまうのは、やっぱり悲しい。
その後安全が確認されてから復旧作業を進め、8月には子どもたちがキャンプに来ることができるまでになりましたが、崩れた辺りの苗は、また来春植えなおしです。
そうこうしているうちに9月になり、今年度2回目のセブンの森活動が行われました。
昨年まではこの時期に植樹を行っていた宮城セブンの森活動ですが、今年は4月に植樹を済ませ、今回は下草刈り活動です。
7月の豪雨にも負けずに残った苗を1本でも多く丈夫に活かすため、からみつく草たちを手鎌で払っていきました。
「草刈り」と聞くと、お庭の重労働のイメージがありますが、参加された方はみんな楽しそうで、草と一緒に悩み事も断ち切ったような表情でお帰りになったのがとても印象的でした!
今年も気が付いたらもう10月。
昨年はこの時期以降、植樹活動はありませんでしたが、今年はあと数回植樹活動が予定されています。
次回のブログでは、今年4月に植樹をした場所の半年間の様子を簡単にお伝えする予定です。
春の植樹イベントの様子をお伝えする活動レポート第3弾!
第1弾・第2弾では毎週のように行われた植樹活動の様子をお伝えしましたが、最終回の第3弾は、植樹活動の舞台裏の様子をお伝えします!
植樹活動の準備は、まず植樹活動に向いている場所の選定から始まります。
もちろん、海岸の防災林のようにあらかじめ場所が決まっている場合もありますが、エコラの森での活動の場合は何本くらい植樹するのか、植える樹種は水を好むのか苦手なのか、など活動規模と内容に従って場所を選定します。
場所が決まったら、次は地拵え。田んぼや畑も植える前に準備が必要ですが、植林もそれは同じです。植樹した苗が活着しやすいように準備をします。
特にエコラの森は、まだまだ荒れた森の部分が多く、ツタ類がはびこる場所もあれば、突然ゴロゴロと瓦礫が転がっている場所もあるのが現状です。瓦礫は30年土の中にいても分解されませんから!!!
・・・そして今回の地拵えの最大の難所は竹林!
竹は地震の多い日本で防災林として、場所によってはとても重要な役割を果たしていますが、エコラの森はもともと地すべり地帯。根の浅い竹は、何かあった場合、大規模に滑り落ちてくる可能性があります。
今回の植樹ではその場所に広葉樹を植えよう!ということで、竹を切って地拵えです。
また、今年は東松島市の防災林でも植える場所を整え直す必要がありました。
前回も少しお伝えした通り、東松島にある「NTT東日本 みやぎの森」は、5年以上前から植樹活動をしてきましたが、植えている場所の水はけが悪く、せっかく植えた苗が根腐れしてしまうような状況でした。
それではいつまで経っても防災林は再生しないし、苗もかわいそう!ということで、水はけ改善作業。
こうして植樹するエリアを整えたら、次は植える場所を決めていきます。
初めて植える場所には一定の間隔をあけてポールを挿していきますが、補植(以前植えた苗で枯れてしまっているものを取り除いて新しい苗を植える)作業の場合、その木が枯れているのか、小さいけれどまだ大きくなる可能性がある木なのか、実際作業されるボランティア等のみなさんにはわかりづらい部分があるので、一本一本見ながら印をつけていきます。
さて、ここまできたらあとはいよいよ苗の準備!
実は、苗はこんな状態で届きます。
だいたい、植樹活動の前日の午後に苗が届いて、もちろんこのままでは苗にストレスがかかるので、早急に箱から出して水をかけます。それと同時に、植樹活動の班数に応じて苗を仕分け。
活動場所で皆さんに手早く配れるように準備をしておきます。
その後は鍬やシェルターなど、活動内容に合わせた道具を準備して翌日の植樹活動を迎えます。
いかがでしたか?
毎回の植樹活動、だいたいこんな感じで準備を進めています。
鍬を持って穴を掘り、苗を植える作業は、植樹活動のいわばハイライトです。
でも実際はそれに向けてたくさんの準備があります。
今回、エコラの森や東松島で一緒に活動してくださったみなさんは、華やかな部分だけではなく、地道な下草刈り活動なども一緒にしてくださっている(またはその予定)みなさんです。
次の活動は早くて6月、遅くとも秋には、またみなさん植樹地に来ていただけることになっています。
それまで1本でも多くの苗が活着するように見守っていきたいと思います!
おまけ
春の植樹イベントの様子をお伝えする活動レポート第2弾!
前回は、初めてエコラの森で植樹活動をされたみなさんの様子をお伝えしましたが、第2弾では私たちと長く活動を続けてくださっている方々の植樹活動をお伝えします。
4月17日、この日の植樹場所はエコラの森ではなく東松島市!
NTTさんによる矢本地区の海岸防災林再生プロジェクトのお手伝いです。
このプロジェクトはもう5年以上続いているもので、植樹活動だけでなく草刈りなどもボランティアのみなさんと一緒に行うことで、東日本大震災の津波で失われた防災林の再生を目指しているものです。
東日本大震災から10年以上経って、市街地の復旧・復興が進んだ沿岸部ですが、防災林はというと…。
木々の成長はとてもゆっくりです。防災林の再生にはまだまだ長い時間が必要です。
加えて今回活動を行った場所は水はけに問題があり、せっかく植えた苗が根腐れしてしまった場所です。
私たちは活動の前日から現地に行き、水はけを改善したうえで植樹活動の準備をしました。 (詳しい内容は第3弾でお伝えします)
当日は雲ひとつない青空!
ボランティアの皆さんと、根腐れして枯れた苗を取り除き、新しい苗を植えていきます。
NTTさんとは福島や気仙沼などでも防災林再生プロジェクトを一緒に行っています。 ボランティアのみなさんと作業をすると、いろんな質問をいただいて、私たちも「植えて終わり」ではない植樹活動・防災林再生(森林再生)活動の大切さをお伝えできる機会にもなって、とてもいい時間を過ごすことができました!
そしてその週の土曜日(4月23日)は、本拠地エコラの森で宮城セブンの森活動!
こちらは全国のセブンイレブンの店頭に置いてある募金箱に寄せられた募金をもとに行っている活動です。
昨年までは9月に行っていた植樹活動ですが、秋に植えるよりも苗の活着率がいいということで、今年から4月実施に変更して開催しました。
宮城セブンの森活動で植えるのはもちろん、鳴子こけしの材料になるミズキ!
※春の植樹へと時期を変更したのは、植える苗がミズキだから、という点も少なからずあります。
しかも今年は昨年の倍の本数。
昨年は新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が出されたために、関係者のみで黙々と植樹を行いましたが、今年もそうなるなら、植樹の指導などが必要ないぶん2倍は植えられるだろうという計算です。
実際、3月末から4月中旬にかけての感染状況はとても不安定だったため、しんりんでは一般の方から参加を募ることはできませんでした。
しかし!!
ずっとこの活動に参加されてきたセブンイレブンのオーナーさんたちの中には、活動が再開される日を心待ちにしていた方も多く、当日は県内のみならず、東北各地からオーナーさんたちがエコラの森に集結しました。
もちろん、地元からは鳴子温泉もりたびの会と桜井こけし店のみなさんにも協力していただき、昨年、黙々とこなした植樹とは打って変わって賑やかな雰囲気。
この日は朝から小雨が続き、途中雨脚が強まった時間もありましたが、無事に100本植えることができました!
さて、2回にわたって紹介してきた植樹活動。
本拠地エコラの森で行ったものから、出張したものまで植える樹種も様々でしたが、次回のブログではその植樹活動の準備の様子などをお伝えしていきます!
みなさん、こんにちは!
数年ぶりに行動制限のないゴールデンウィーク。観光地ではコロナ前ほどとは言わなくても昨年・一昨年に比べて人出が大きく回復したというニュースが多く聞かれますね。
私たちの森はかつて観光地になろうとしたところ。今はまだ、手入れは必要な部分が多く残っている場所ですが、そんな森にも今年はたくさんの人が来てくれました。
観光ではなく「植樹」という、より未来を見据えた活動で・・・!
ということで、2022年の春の植樹活動を今回から数回にわけてご報告いたします!
今年最初の植樹活動は3月中旬。
今年からCSR活動の一環として、エコラの森の再生に関わってくださることになった、メットライフ生命の方々です。
今年はエコラの森になんと1000本の植樹を目指し、全4回の活動を予定しています。
その先駆けとして社長さん自らが記念すべき1本目の植樹をしたい、ということでまだ雪の残るエコラの森で植樹を行いました。
その約1か月後。
4月15日にはメットライフ生命の社員さん約20名での1回目の植樹活動。
3月中旬にあった地震の影響で、首都圏からの参加はかないませんでしたが、もともと仙台を拠点にお仕事をされている方々が来て250本を植樹。
当日は雨が降ってしまい、植樹は概ね終了できたものの、シェルターは3分の1ほどかけた状態で終了。
でも、植樹地に立派な看板も設置しました!
そして、間に2つの別の植樹イベントをはさんで4月の最終週、メットライフさん2回目の植樹活動。
前回とは打って変わってすごく天気がいい!
止まっていた新幹線も復旧したことから、今回は首都圏からも10名ほど参加されました。
仙台圏の社員さんと合わせて全30名。3分の1が女性参加者でしたが、みんなとってもパワフル!
前回植えた木と木の間に、今回も250本。
※間に植えていくのは、樹種が偏らないようにするためです。
シェルターもしっかりかけて、活動終了。
午前9:00~午後3:00まで、終始 明るい笑い声が絶えない活動になりました。
実は、メットライフ生命の皆さんは、東日本大震災の津波で失われた防災林の植樹を行ったことはあるそうです。
なので、今回の植樹活動もある程度のイメージをもって参加された方が多くいました。
でも、津波で被害を受けた場所とエコラの森では、地形も土の質もまるで違います。
皆さん、地中にはびこる草の根と、壁のように見える斜面に翻弄されながらの植樹になりました。
「植樹活動ナメてたわ~」
なんて声も、毎回どこからか聞こえてくるような、にぎやかな植樹活動になりました。
みなさん、おつかれさまでした!
今年の目標1000本まで、残り500本! また秋の鳴子でお待ちしています!
次回のブログでは、今回の1回目と2回目の間にあった2つの植樹活動をご紹介します!
2021年11月から私たちの仲間入りをした新人きこり・カーク。
仲間入りする季節が違えば、最初の仕事の内容も大きく変わるのが山の仕事。
第1弾では触れられなかった活動も紹介しながら、新人きこりが一人前になるまでの道をゆる~くお伝えしていく第2弾、3回目です!
なんだかんだこのブログを更新していない間に3カ月を過ぎ、研修期間が終了しました。
・・・もうしっかり山に入ってバリバリ木を倒しているかと思いきや・・・。
宮城県は東北でも比較的雪の少ない太平洋側とはいえ、大崎市鳴子温泉地区は山形県や秋田県との県境に位置する場所。雪は多いです。
カークは除雪車に乗ってサスティナヴィレッジ敷地内の除雪作業を行っています。(雪が多い時だけです。毎日やってくれてもいいけど。)
もともと宮城県出身のカーク。雪が全く降らない場所で育ったわけではないけれど、さすがに、こんなに雪深いところで生活するのは初めて。もちろん、除雪車を動かすのも初めての経験です。
朝早く起きて、周辺の除雪を試みるも、何度もダメ出しを食らう日々(笑)。
停めてある車が出られないような場所に雪をどかしてみたり、見通しが悪くなる場所に雪を盛ってみたり、全然平らな路面にできずに地面が大きく波打ってみたり・・・。
しまいには朝早く起きられなくて、除雪が間に合わない…なんてこともありました。
もちろん、除雪車というのは思っているより難しいので、最初はうまくできなくて当然。
とはいえ、カークが除雪した後を他のスタッフがやり直したり、機械を使わない除雪も自分の倍以上の年齢のスタッフよりも遅かったり、いろいろまだまだです。
とりあえず寒い朝に早起きするところから慣れて、積極的に除雪車に乗って練習あるのみ!
朝の除雪が終わった後は、仲間と合流してその日の仕事がスタート。
この数か月で伐採体験のサポートをしたり、自分でも伐採をしたり(残念ながら写真はない)、新型の機械を使って薪づくりをしたり・・・エコラの家の除雪をしたり。
寒い季節の作業は、体の使い方も変わってきますが、何か変化があったか本人に聞いてみると・・・
「体重が8キロ減りました!」との回答。
筋肉もついての体重減少(だと思う)ので、もちろん着ている服もサイズダウン。
体が軽くなって、機敏に動けるようになったと思いきや、トラックから落ちそうになるなど、まだまだ不慣れなところもあるカーク。
休みの日の楽しみは料理をすること・・・ということで、カークの得意分野は次回、紹介しますね!
2021年11月から私たちの仲間入りをした新人きこり・カーク。
仲間入りする季節が違えば、最初の仕事の内容も大きく変わるのが山の仕事。
第1弾では触れられなかった活動も紹介しながら、新人きこりが一人前になるまでの道をゆる~くお伝えしていく第2弾、2回目です!
前回は仲間入りをしてから間もないころのお話をしましたが、そこからあっという間に1か月がすぎ、このブログが公開される頃にはもう仲間入りしてから2か月が経とうとしているカーク。
その間の仕事はというと、メインは薪ステーションでの薪づくり。もちろん、機会があれば山に入りたいと希望しているカークなので、山に入っての枝払いも行いましたが、なんといってもこの時期は薪の需要が増えるシーズン。
薪ボイラーのために通年でご利用いただいている方のほかにも、暖房用として購入される方が増えるので、当たり前の話ではありますが、冬が寒ければ寒いほど、薪の在庫が減っていきます。
・・・ということで、新人カークもひたすら薪づくりです。
この日は大雨だったこともあり、屋根の下での作業でした。
軽トラックに薪を積めるだけ積んだら外にある薪棚まで運んでいきます。
そもそも、カークが林業に興味を持ったのは、海釣りが好きだったから。
釣りをしていて魚が少しずつ減ってきているように感じていた時、海を整えるには森を整えることが必要だと知り、そこから林業に興味を持ったのだとか。
もともと海のゴミ問題など、海に関する環境問題に対する意識は高かったというカーク。
そこから上流を整える方へと意識が向かい、地理的にも間違いなく上流の鳴子にたどり着いた、という感じだそうです。
とはいえ、森づくりに関してはまだまだわからないことの方が多く、実際の作業のほかにも100年続く森づくりや、その他様々なことについて先輩たちから学んでいる最中です。
そういえば、前回のブログの時に体力にはあまり自信がない、というようなことを話していましたが、1か月経ってみてどうなのでしょうか?
「思ったよりまだ大丈夫。今は夏の草刈りの過酷さを早く味わってみたい気もします。」
カークに聞いてみると、ややストイックな発言が。 ・・・え? 本気??
どうやら「一番過酷な作業を経験すれば、それ以外が楽に感じられる!」という感覚の持ち主のようです。
夏の草刈りが、最も過酷な作業かどうかは意見の分かれるところではありますが、心配しなくても大丈夫!? それはいずれ間違いなく経験できます。(しかも数か月続く・・・大丈夫かしら?)
今は過酷さを追い求めすぎてケガなどしないように、基本が体にしみこむまで同じ作業を繰り返し行っています。
「まだ(行動が)ズレたりするところもあるけれど、少しずつぎこちなさが減ってきたんじゃないかな」
と、この1か月を振り返ったカーク。
作業をしていくうちに、自分がフォークリフトを運転できれば作業効率が上がるんじゃないか、なんて、少しずつやってみたいことも増えているようです。
(フォークリフトが運転できれば確かに便利。期待して待っていても、いいのだろうか・・・。)
このあと、あっという間に雪が積もって、朝から晩まで雪かきに追われる日を迎えることになるのですが、それはまた次の回で。
おまけ
今年8月から私たちの仲間になった新人きこり、タッカ。
林業未経験から一人前のきこりになるまでをゆる~くお伝えしてきたこのシリーズも今回が最終回。
・・・え? もう一人前!?
タッカが私たちの仲間になってから5カ月が経ちました。
前回のブログで、先輩たちに指導されながらも自分で木を伐倒することができたタッカ。
普段、山で作業をしている時は、基本的に他のメンバーとの物理的な距離も遠いため(安全確保のためです)、黙々と作業をしていることが多い印象です。
本人もそれが苦になる性格ではないようで、早くも無口な山の男といった雰囲気になってきました。
そんなタッカですが、もちろん木を伐るだけではなく、イベントの準備作業などをすることもあります。
しんりんのメンバーは、「話すのが苦手」を自称する人が多いのですが、みんなで集まった時は結構にぎやか。(作業に対するこだわり派が多いとも言う)
タッカもその中に入って積極的に作業をこなしていきます。
月に1回拠点に集まって行うミーティングでは、メモ帳に手書き派の多いメンバーの中で、タッカはスマホにメモ。
この辺りはちゃんと現代の若者です。
最初は林業未経験ということもあり、とても緊張していたような印象でしたが、徐々に緊張もほぐれ、今ではしっかりメンバーの一員としてそのポジションが確立されているようです。
実は、タッカが8月に仲間入りしてからこれまでに参加したイベントは、実は9月の植樹祭のみ。
これはイベントが苦手ということではなく、イベントの日も別の現場で間伐作業にあたっていることが多いためです。(新型コロナウィルス感染症のためにイベント自体が少ないというのもありますが・・・)
なので、伐採体験などで彼を見かけることはほとんどないと思います。
イベントで先輩が抜けても作業が遅れてしまわないように、山奥で頑張ってくれています。
もちろん山の仕事を全面的に任せられるほど一人前になったのか?・・・と言われると、そこはまだまだ足りない部分があるのは当然のことですが、頼もしい仲間になったことは間違いありません!
これから、まだまだ寒い山奥での作業が続きますが、たくさん着込んで寒さ対策をしているというタッカ。
来年はまず一人暮らしをして、それから子どもの頃にはあんまり好きになれなかったピアノも、機会があったらまたやってみたい・・・なんて、少し気持ちに余裕も出てきたようです。
最後に、タッカにこれからの意気込みを聞くと・・・
「1日も早く技術を身につけられるように頑張ります。」とシンプルな言葉が返ってきました。
これからも応援よろしくお願いします。
2021年8月に新人きこりさんが増えたばかりですが、その3か月後の11月、さらにもう一人、新しいきこりさんが仲間入りしました!
仲間入りする季節が違えば、最初の仕事の内容も大きく変わるのが山の仕事。
第2弾では第1弾でお伝え出来なかった活動を通して、新人きこりさんが一人前になるまでの道をゆる~くお伝えしていきますね♪
・・・ということで、早速新しいきこりさんの紹介から。
愛称:カーク(なぜか外国名前ですが、実際は日本人です。)
林業:未経験
出身:宮城県仙台市(今は私たちの活動場所にほど近いところに引越済)
この写真は、しんりんでの勤務をスタートさせて3日目の写真です。
何をしているかというと、この日は「みちのく薪びと祭り」というイベントがありまして、カークは先輩きこりと一緒にイベントに参加していました。
(みちのく薪びと祭りは、東北で薪を仕事にしている人たちが集まって、現地見学や意見交換などを行うシンポジウムのようなイベントです。)
3日目とあって、全然仕事を覚えるに至らないままのイベント参加。でも、このオレンジを着るとしっかり薪びとに見えるから面白いです。
この日は県外からの参加者と一緒に森づくりやエネルギーの話を聞き、見学も行いました。
仕事を始める前に、チェーンソーや刈り払い機、重機の扱いなど、一通り学んできたというカーク。
きこりになったら、すぐに毎日山に入るものだと思っていたそうです。
ですが、実際は・・・草刈り(定番)、イベント準備・出席、キャンプ場の解体の手伝いなど、予想外の仕事がたくさん。(注:キャンプ場の解体の手伝いは、NPO法人しんりんならではだと思います。)
私たちはただ山に入って木を伐ることだけを仕事にしているわけではないので、地域とのつながりなども一緒に学んでいかなければなりません。
今のところ、予想外の仕事が多くなっているカークですが、実はイベントごとはあまり苦手ではなさそうです。
仕事がはじまってから10日後に行われた地元幼稚園から園児がやってきての伐採見学ツアーでは、子どもたちの安全管理を任され、たくさんの子どもたちとお話していました。
もともと釣りが好きで、学生の頃は射撃などもやっていたというカーク。
一応どちらもアウトドアの活動とはいえ、あまり体力に自信はないそうです。
そんなカークの目標は、「一人前のきこりになること!」
一人前とは・・・機械のメンテナンスや使い方を人に教えられて、森づくりに関しても豊富な知識があって、林道づくりも含めた山の管理をしっかりできるようになること。(本人談)
大きな目標に向かって、これからたくさん勉強していく毎日が続いていきます!
11月20日(土)、鳴子こども園の園児たちが、木の伐採と馬搬を見学しました!
このイベントは、鳴子こども園の園舎を新しくするのに伴って開催されたイベントで、ぜひ地元の森から伐りだされた木を使いたいという思いと、子どもたちが使う園舎に自分の山の木を使ってほしいという思いが一つになって開催されたものです。
今回はたくさんの方々から木の提供をいただけることになり、私たちNPOしんりんスタッフは当日まですべての山々を回って準備してきました。
その中から、子どもたちが見学に入りやすい場所を選定し、実際に切る木を選び、前日にはあらかじめいくつかの木を切り倒して、当日の朝は安全対策などもしっかり行ったうえで、子どもたちを乗せたバスを迎え入れました。
子どもたちが森に到着すると、それまでの機械の音しかしていなかった森が一瞬で明るくなったよう。
まず園長先生が森の木の命をいただくということをわかりやすく園児たちに説明。
そしてみんなで歌を歌い、これから倒す木に触れて、感謝の気持ちを送ります。
その後、いよいよ伐採見学。
園長先生がチェーンソーを持って、しんりんスタッフの補助のもと、木に切込みを入れていきます。
自然豊かな環境で育っている子どもたちとは言え、実際に伐採作業を見るのは初めての子も多く、なかなか倒れない木に「園長先生がんばれ~」の声援も。
ゆっくり木が傾いて、他の木の枝を押し広げながら木が倒れると、その音の迫力に一瞬無言になる子どもたち。でもその後、すぐに大きな拍手を園長先生に送っていました。
「森や山を守っていた木が、みんなを守る家の柱として生まれ変わった」とお話する園長先生。園児たちはみんなで切り倒した木をお清めしました。
そのあと、しんりんスタッフからは森についてのお話をさせていただきました。
森には手入れが必要なこと、家に使えない木は家具になったり紙になったりすることをお話しました。
その後、しんりんスタッフによるデモンストレーションとしてもう2本伐倒。
そして馬搬のデモンストレーションも見て、盛りだくさんの伐採ツアーとなりました。
重機に近づきたい、馬に乗りたい、切り株に立ちたい・・・いろんな子どもたちが訪れた森はとても賑やか。
とはいえ、いつもの10倍安全に気を配りながらの実施となった伐採ツアー。終わった後のしんりんスタッフはみんなホッとした表情を見せていました。
伐りだされた丸太は、この後製材工程に移り、新しい鳴子こども園の園舎に使われる予定です。
今年8月から私たちの仲間になった新人きこり、タッカ。
林業未経験から一人前の木こりになるまでをゆる~くお伝えしている第4回目。
いよいよその時が訪れました!
3カ月の研修期間が終わろうとしていた10月末。
タッカはまだ前回と同じ山で作業を続けていました。
この間は作っている途中だった作業道もほぼ作り終わり、本格的な伐採作業です。
さて、タッカは・・・
いました! 経験豊富な先輩方と混じって、すっかり一人前風。
先輩方の雰囲気も「面倒をみている」という感じから「一緒に作業をしている」という感じに少し変わってきているように見えます。
一通り休憩とこの後の作業の確認を終えて戻ろうとすると・・・
先輩きこりが「この木、やってみろ」と、タッカに指示!
ついにこの時が・・・・!!
・・・・実はタッカ、この写真の前日に初めて伐倒に挑戦し、その日は3本倒したのだとか。
そしてこの日はまだ1本も倒していなかったので、これが合計4本目。
タッカはもちろん、やらせてもらえるのが嬉しいはずですが、それ以上に緊張しているのか、表情は硬いまま目的の木へ。
どこに倒すか方向を決めたら、いざチェーンソーのエンジンをかけて作業開始!
伐り始めるまでは慎重に方向を見ていたタッカは、方向が決まったらあまり躊躇することなく一気に切り込んでいきます。
・・・とはいえ、まだまだ最初からパーフェクトに伐倒できるはずもなく、作業→自己確認→先輩によるチェック→修正作業→自己確認→先輩チェック→修正作業・・・・の繰り返し。
木は2本と同じものがないので、一度できたから次からは大丈夫!というものではないのです。
そしてついに!!!
細い木のため、伐り倒した木の「どーん」という音は控えめ。
後ろで見守っていた先輩方からは「あ~。。。」というテンション低めの声。
そしてすぐに先輩方によるチェック!
でもその後すぐに「次この木ね」なんて言われていたので、大きな失敗はなかったようです!
新人きこりとして仲間入りしてから3カ月。研修期間の最後には最初の目標である「いつかは自分で1本の木を」にぐっと近づくことができていました!
タッカは伐採作業の難しさを感じている様子もありましたが、もっとうまくできるようになりたい!という静かな意気込みも感じさせる表情で、次の木に向かっていきました。